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植物油と健康のおはなし

植物油は栄養面では「脂質」に当たります。これは5大栄養素の一つとして体に必要とされるもの。
おいしさを提供するだけではない、植物油の健康面でのメリットをみていきましょう。

1.植物油自体の栄養素

ビタミンEを摂取できる

植物油には「ビタミンE」が豊富に含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用が強く、体内の脂質の酸化を防ぎます。それにより、動脈硬化や血栓の予防をはじめ、血中LDLコレステロールの減少など、さまざまな健康維持の働きが期待できます。細胞の酸化を防ぐことから、老化防止効果もあるとされています。
日本人はビタミンEの約20~30%を植物油から摂取しています。

体に必要な脂肪酸が含まれている

植物油の多くは「不飽和脂肪酸」から構成されています。不飽和脂肪酸は人の成長や健康維持のために重要な役割を果たしており、必須脂肪酸(人間の体内では作られず、食物から摂る必要がある脂肪酸)を含むことも特徴です。

〈 植物油に含まれる不飽和脂肪酸の特徴 〉

オメガ3(n-3)系脂肪酸(必須脂肪酸)

血中中性脂肪を下げる作用があるといわれる。α-リノレン酸から脳細胞の活動を支えるDHAなどが体内でつくられる。
含有量の多い植物油・・・えごま油、アマニ油

オメガ6(n-6)系脂肪酸(必須脂肪酸)

コレステロール低下作用が強く、摂取不足は皮膚障害を招く恐れがある。
含有量の多い植物油・・・大豆油、コーン油

オメガ9(n-9)系脂肪酸

血中の善玉コレステロール濃度を減らさず、悪玉コレステロール濃度を下げる。
含有量の多い植物油・・・菜種油、オリーブ油

2.他の栄養素の吸収を助ける働き

ビタミンの吸収率アップ

以下の脂溶性ビタミンは、油に溶けると体に吸収されやすくなります。つまり、食材単独で摂取するよりも油で調理した方が、栄養効果がアップするのです。

ビタミンCが壊れにくい

野菜や果物に含まれる「ビタミンC」はコラーゲンの生成に必須なだけでなく、その抗酸化作用ががんや動脈硬化の予防や老化防止に有効であるとされています。
ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱い性質を持つため、油での高温・短時間調理であれば栄養素の損失が少なく済みます。

3. その他の働き

効率の良いエネルギー源

植物油は1グラム当たり9キロカロリーあり、大さじ2杯でご飯茶碗1杯分のエネルギーを摂ることができます。効率よくエネルギーを摂りたい時にぴったりの食品です。

腹持ちがよく、食べ過ぎ防止に

油は消化・吸収に時間がかかります。油を使った料理はゆっくりと消化されるため満腹感が長続きし、食べ過ぎ防止につながります。

4.摂取する際の注意点

体に良いからといって過剰摂取は禁物です。他の栄養素とのバランスを意識して摂取してくださいね。

一つの植物油には、さまざまな脂肪酸が含まれていて、どれか1種類のみを摂取することはできません。各脂肪酸をバランスよく摂取できることで効果が上がるとともに、それぞれの欠陥を補っています。

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